デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

シュリもアスナイも、目を丸くして、桜を見ている。

(え………な、何?)

その不気味な光景に、怖くなった。

目の前のシディを見ると、ヒクヒクと顔の筋肉を引きつらせて、やはり固まっている。

(まずかったかな………)

身分によって抑圧されるという経験は、現代日本に生きていたらそうそうあるものではない。その理不尽さに爆発してしまったのだが。

「あ、あのう……、皆さん?」

何ともマヌケな呼びかけだ。

(……どうしよう)

どうやら、自分が思ってるよりかなり衝撃的なことをやらかしたらしい。

突然ふうううっ、と深い吐息の音。

びっくりして見ると、目の前のシディ御衣統括長だった。

「アナタ………いい度胸してるじゃないの……」

地をはうような、低い声。完全に男のそれだ。

「あ……なんか、すみませ………」

「謝んじゃないわよっ!今更っ!!訳の分からないコねッ!!!」

キイッとラメ赤の肩を怒らせる。

その声に、魔法が解けたように皆我に返った。

「統括長、今のは」

慌ててアスナイが桜のフォローをしようと口を開いたが、スッと手で制された。

「………ワンピースでいいのよね」

「は?」

「あん、もう、アスナイちゃんたら。この子豚娘の服よっ。ワンピースでいいんでしょ?あんまり露出がない、清楚系のやつ」

クネ、としなをつくり、桜をピシッと指差した。

「………よろしいのですか…」