デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

全く反論の余地がないほど、その通りだ。

それは、桜本人がよく分かっている。周りのせいにして、ずっと逃げていた。

恥ずかしさに、唇を噛んでうつむく。

「アナタ、そのマントは、アスナイちゃんのマントね。それもアタシの大事な作品よ。脱いで」

容赦ない言葉が飛ぶ。

「!」

「お待ちください統括長、この娘は今これしか身につけるものがありません」

アスナイが桜の前に立った。

「アタシの知ったことではなくてよ。そこをどいてちょうだい。何なら、王命をもらって、アタシを斬る?」

アスナイとシュリの我慢が爆発しそうになったその瞬間。

そっと、アスナイの肩に桜が手をかけて、前に出た。

「桜…」
「あら、逃げてきた人間は、あきらめも早いのね」

フフンと冷笑し、マントの留金に手を伸ばすシディ。

「触らないでください」

はっきりとした、桜の声がいつの間にかしんとしていた部屋に響いた。