「ふうん………」
ツン、と鼻を上に向け、腕を組んで桜を見下ろす。
「お断りよ。このコのために、アタシの服は出せないわ」
「…何故ですか、統括長」
「何故?愚問ねアスナイちゃん。醜いからよ」
カッと顔色を変えるシュリを目で制し、努めて冷静に言う。
「この娘を謁見させるのは、王命です。そしてこの娘は王の客人です。客人にこのような格好をさせたまま、王の目に通すわけにはいきません」
「じゃあ、今からでも街に出て、マシな服を探すことね。どんなひどい服でも、その娘には過ぎた代物よ」
統括長は冷たく言い放つ。
自分の心に吹き上げようとする怒りを必死に抑えながら、アスナイは根気よく聞いた。
「……統括長。統括長の作られる衣に袖を通すのは、王のあまねく臣下です。老若男女、全てが。当然、そこに美醜の区別などないはず。なぜ、この娘だけがダメなのですか」
シディは、仕事の表情を崩さずにアスナイに向き直った。
「アスナイちゃん。アナタちょっと勘違いしてるわ。人は当然年を取り、シワがでる。戦で体が傷つく人もいる。病気で体中アザやシミが出来る人だっているわね。生活に追われる中で、結婚して自分の愛する家族に心を砕くあまり、自分の容姿をかえりみなくなる人もいるわ」
「……はい」
「でもね、そういう人たちは、美しいわ。自分の人生を、悔いなく精一杯生きる輝きがあるもの。でも」
キッと桜を冷たい目で見据える。
「この娘には、それがない。逃げて逃げて、自分を甘やかしてこんな醜い体になったのよ。そんな人間に、アタシの仕事の誇りを汚されてなるもんですか」
ツン、と鼻を上に向け、腕を組んで桜を見下ろす。
「お断りよ。このコのために、アタシの服は出せないわ」
「…何故ですか、統括長」
「何故?愚問ねアスナイちゃん。醜いからよ」
カッと顔色を変えるシュリを目で制し、努めて冷静に言う。
「この娘を謁見させるのは、王命です。そしてこの娘は王の客人です。客人にこのような格好をさせたまま、王の目に通すわけにはいきません」
「じゃあ、今からでも街に出て、マシな服を探すことね。どんなひどい服でも、その娘には過ぎた代物よ」
統括長は冷たく言い放つ。
自分の心に吹き上げようとする怒りを必死に抑えながら、アスナイは根気よく聞いた。
「……統括長。統括長の作られる衣に袖を通すのは、王のあまねく臣下です。老若男女、全てが。当然、そこに美醜の区別などないはず。なぜ、この娘だけがダメなのですか」
シディは、仕事の表情を崩さずにアスナイに向き直った。
「アスナイちゃん。アナタちょっと勘違いしてるわ。人は当然年を取り、シワがでる。戦で体が傷つく人もいる。病気で体中アザやシミが出来る人だっているわね。生活に追われる中で、結婚して自分の愛する家族に心を砕くあまり、自分の容姿をかえりみなくなる人もいるわ」
「……はい」
「でもね、そういう人たちは、美しいわ。自分の人生を、悔いなく精一杯生きる輝きがあるもの。でも」
キッと桜を冷たい目で見据える。
「この娘には、それがない。逃げて逃げて、自分を甘やかしてこんな醜い体になったのよ。そんな人間に、アタシの仕事の誇りを汚されてなるもんですか」
