デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「ありがとうございます!」

深く頭を下げる。

「うむ、早くこの世界に馴染めるよう、祈っておるでの。異世界の娘よ」

また目を細め、頷く神官にもう一度頭を下げた。

そして、はやる気持ちを抑えて、もと来た入り口へ。そっと幕を開けると、イライラした様子の二人がいた。

「シュリさん、アスナイさん」

そっと、呼ばわってみる。
はじかれたように、同時に桜を見た。

「桜!」
「遅かったなーおい、あのババア共に、何か嫌味いわれてねーか!?」
「うるさいシュリ、声が響く。筒抜けだぞ」

桜は、胸がいっぱいになるのを感じた。

ああ、分かる。

「シュリさん…アスナイさん…ありがとう、助けてくれて。ずっと、ちゃんとお礼が言いたかったんです」

固まって目を見開き、桜を見つめる二人。

このために来たのに、やはり心の底からどんどん嬉しさがわきあがってくる。

「……っ桜!」

ガバッ、とシュリが桜を抱きしめた。

「うわー…マジか…何だこれ、むちゃくちゃ嬉しい!!」

頬を寄せて、ぎゅうぎゅうと抱きすくめる。

「あうう……」

恥ずかしさと苦しさで、顔が真っ赤になる桜。

ドス、と鈍い音がして、シュリが放り出された。

「良かった、桜。……お前に告げたいことが、山ほどあるんだ」

彼女の両手を握り、じっとその瞳を見つめながら、アスナイは優しく笑った。