デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

階段を登りきると、三人が来るのが分かっていたように、痩せた中年の女性が静かに立っていた。

『…こちらです』

目を伏せ、薄い微笑みを浮かべて、そっと神処の入り口の幕を手で引いた。

室内にはすでに煌々と火が焚かれ、レッドカーペットのような敷物が、ずっと奥まで続いていた。

天井も高く、美しいレリーフがたくさん彫られていた。

赤い絨毯の上を歩いているため足音は響かなかったが、その荘厳な雰囲気に圧倒される。

やがてこの広間が終わり、また布で仕切られた入り口が。

そっとその布が動き、また別の女が桜を中へいざなった。

が、後に続こうとしたシュリとアスナイを手で制した。

『恐れ入ります。武官様はここでお待ちくださいませ』

二人は思わず顔を見合わせた。

『しかし…』

『心安くお待ちを。神官様は、あなた様方のご用件を先刻ご承知でいらっしゃいます。それに』

伏せた目を上げた。

『いかに王宮内の神処と言えど、ここからは【神児】の領域。王の臣下の方は、お入りになれません』

静かに言い切ると、一礼してさっと幕の向こうに消えた。