デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

おびただしい血を流し、2,3度痙攣したあとに、獣は動かなくなった。

……しばらく無言で、二人とも荒い息を繰り返す。

そして、何とか桜が立ち上がった。まだ恐怖で足が震えている。

(……助かった。アスナイさんが、助けてくれた)

はあ……と深い息をつき、お礼を言おうとアスナイを見た。

が、様子がおかしい。目を見開いたまま、荒い息を繰り返している。血まみれの剣を握った手は、ワナワナと震えていた。

「アスナイ……さん?」

恐る恐る、呼びかける。

『この……馬鹿が!!!』

激しい怒りが、その唇からほとばしった。