デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

『桜っ!!』

顔色を失い、アスナイが後を追う。

「う……!」

ズルズルと、信じられないくらいに素早く森の中へと引きずりこまれてゆく。

『桜!木でも岩でもなんでもいい、手でつかむか、脚をかけろ!!』

追いかけるアスナイが夢中でそう叫ぶが、桜には分からない。

その時、大きな木の根が、桜の肩とマントのフードに引っかかった。

ガツ、と根にぶつかり、獣の足が止まる。

その隙にアスナイが追いつき、一閃、白刃のもとに獣の頸動脈を断ち切った。