デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ぶらん、と桜の足が宙吊りになる。

シュリの首に桜の手が回り、シュリの手は桜の背に。

よかった、と二人がホッとしたのも一瞬だった。

「『!!!!!』」

この体勢。その上、桜の左の頬が、シュリの左の首筋に押し付けられていた。

「きゃあぁ!」
『うおあぁ!!』

互いにあわてて距離を取る。

「ご、ごめんなさいすみません!お昼からすみません!もうしません!」

アイデンティティの崩壊一歩手前の桜が、耳まで顔を赤くし何度も頭を下げた。

『さ、さ、桜、座れ、座ってろ!』

負けないくらいの顔色で、丸めて馬に積んでいた簡易マットをむしり取り、乱暴に広げてぶん投げた。