やがて広かった森を抜け、また夏草の広がる草原に出た。
小道は一直線に、王都へ向かっている。
一旦馬を止めた。
さわ、と髪を揺らす涼しい風に、桜はようやく一度顔を上げた。
(…森を抜けたんだ)
アスナイはチラッとその顔を見て、泣いてはいないことにほっとする。
『もう少しこの道を行ったら、右手に小さいが町がある。そこで今日の夕飯を調達しよう』
シュリも頷き、二人は再び馬を進めた。
わずかながら桜も顔を上げて、馬のたてがみをなでてやったり、風の光の粒子に手を伸ばしたりしている。
が、相変わらず二人の顔を見る勇気はない。
結われていない彼女の髪が、風に乗ってわずかにシュリの首元や腕をなでた。
いままでなら、俺が結ってやるよと言って、髪の束をいじって桜の反応を見て楽しんでいたのだろうが。
何だかこの時間を崩すようで、惜しくて出来ない。
いや、さっきの問題が片付いてないということもあるが。
(何なんだ、俺…)
自分らしくない慎重さに、戸惑った。
小道は一直線に、王都へ向かっている。
一旦馬を止めた。
さわ、と髪を揺らす涼しい風に、桜はようやく一度顔を上げた。
(…森を抜けたんだ)
アスナイはチラッとその顔を見て、泣いてはいないことにほっとする。
『もう少しこの道を行ったら、右手に小さいが町がある。そこで今日の夕飯を調達しよう』
シュリも頷き、二人は再び馬を進めた。
わずかながら桜も顔を上げて、馬のたてがみをなでてやったり、風の光の粒子に手を伸ばしたりしている。
が、相変わらず二人の顔を見る勇気はない。
結われていない彼女の髪が、風に乗ってわずかにシュリの首元や腕をなでた。
いままでなら、俺が結ってやるよと言って、髪の束をいじって桜の反応を見て楽しんでいたのだろうが。
何だかこの時間を崩すようで、惜しくて出来ない。
いや、さっきの問題が片付いてないということもあるが。
(何なんだ、俺…)
自分らしくない慎重さに、戸惑った。
