「ああっれぇ~~~?桜ちゃんじゃ~~~ん!」
ねっとりと、耳にまとわりつくいやな声。それに反応して、他の4人も一斉に桜を見た。
「桜ちゃ~ん、久しぶり~!」
「生きてたんだね~~」
退屈を紛らわせるのに格好の獲物を見る目で、ニタニタと笑いながら近づいてくる。
トイレで髪の毛を引きずられ、教科書やノートを破かれ、制服で隠れる体の部分を何度も殴られた。
暗い、ムカつく目をしているなどの理由で。
逃げなくてはと思うのに、足がすくんで動けない。
でも、逃げなきゃ。また、ひどい目にあわされる。殺されてしまうかもしれない。
恐怖に突き動かされ、震える足を引きずるように、桜は走りだした。
