デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

『この娘に感謝することだな』

再び出立のために、桜の騎乗に手を貸しながらアスナイはシュリに言う。

『あ?』

『この娘がいくつかは知らんが、勇気を出して自ら歩み寄るあたり、お前よりは余程大人だ』

『オイちょっと待て。俺がこいつの気持ちを汲むのがお前よりヘタだってのは認めるが、こいつに大人げない態度をとって、あまつさえ歩み寄らないところはお前とどっこいだろうが』

『俺は修正したぞ。お前はどうかな。どっちかといえば直情型だからな』

遠回しにバカと言われてるようで、シュリはムッと唇を尖らせ、やや乱暴に愛馬にまたがった。

『……わあってるよ。俺だって、こいつを泣かせたくない』

まだよくわからないが、どうやら桜は、自分が思っているより繊細な人間らしい。

『…面倒くせえなぁ』

『…ではなくて、お前の神経が太すぎるんだ』