デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「あの……シュリさん…」

そっと呼びかけると、膝に頬杖をついたまま、ブラウンの瞳だけが桜の方を見た。

(うう……こわい…)

思い切り拒絶されたらどうしようと思いながら、口を開く。

「…すみませんでした。昨日、あんな態度をとってしまって」

ペコリと頭を下げると、シュリは驚いたような、戸惑うような表情で頬杖を外した。

「私ね、シュリさん。元いた世界で、シュリさんたちみたいに接してくれる人、いなかったんです」

初めて長く話す桜に、アスナイも手を止めた。

「それに、あの…私こんなデブでブスだし、頭も良くないし、自信なんか全然なくって。でも、二人はすごくきれいで、かっこよくて、だから余計に気後れしてしまって」

こくん、とのどを鳴らして、言葉をつなぐ。

「でも、それは自分のせいなんです。私、今まで逃げてばっかりだったから。だから…」

声が震えて、視界がぼやける。

「ごめんなさい、シュリさん。シュリさんは何にも悪くないんです。いつも優しくしてくれるのに」

堪えられずに、涙が一粒、頬を伝った。

「嫌な思いをさせて、ごめんなさい……」