デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

的確過ぎる傷のえぐり方に、一瞬息を呑むシュリ。

『な……』

『お前がこの娘にどれほど情が移ろうと構わんが、それで旅が続けづらくなるのはごめんだ』

全て見透かしているような、紺色の瞳。

『自分の気に食わないからといって、他人を追い詰めるなと言ったのは、お前自身だぞ』

カッと怒りとも恥ずかしさともつかぬものが、シュリの面を染めた。

『そんなんじゃねえよっ!』

大きな声に、思わず桜も振り返る。

見開かれた黒い瞳が、驚きと心配に揺れていた。

「シュリさん……?」

そっと自分の名を呼ぶ、優しげな声。
サラ、とアスナイに結われた黒髪が、肩にこぼれた。

それを見ると、何だか無性に腹立たしい。