デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「相変わらずおっかねー女だな、お前」

「ここは宮中よ?やられる方がバカなのよ」

ツンと顎を上げる彼女。

その腰に、男の腕が絡みついた。

「ま、そうだよな。……それにしても久しぶりだな、お前の部屋に行くの」

「……………」

欲深い目で、彼女の瞳をのぞき込んだ。

「今日はお前の近侍様とは会わねぇ日なんだろ?……犬だってご褒美もらった方がいい働きするぜ?」

眉をしかめて、その不愉快な動きをする手を睨む。

(気色悪い。こんな下っ端の小者なんかに)

心で舌打ちした。

だが、犬に手を噛まれる事になっても厄介だ。仕方がない。

「分かったからさっさとやって。ちゃんと終わったら部屋に来て」

そう吐き捨てるように言うと、身をひるがえして廊下を歩き始めた。