「ふーん?あの女かよ」
王宮の数ある太い柱の陰で、白髪に何筋かの緑色が混ざった頭を揺らして、若い男は彼女を振り向いた。
「そうよ。あの、褐色の髪の女」
二人が身をひそめる柱から、少し遠くに淡々と廊下を歩く先程の深宮の女官の姿が見える。
アラエに向けるときとは似ても似つかぬほど、冷たい表情の彼女がうなずいた。
「見たとこ、お前とは勝負になんねぇくらいのババアじゃねえか。お前の近侍はほんとにあの女に迫ってたのかよ?」
「だからそうだって言ってるでしょ」
少しいらついた声で、彼女は自分の駒の一つである男を睨みつけた。
「見たんだから。深宮の女官の控室の前で……」
顔を歪める彼女に、ククッとその男は下卑た笑いを投げた。
「フーン。じゃぁアッチの方がよっぽどいいんだろうぜ」
「無駄口聞くためにあんたを呼んだんじゃないのよ!やるの、やんないの!」
ギッと男を睨みつけると、その笑いが一層大きくなった。
「お前が言う事なら何でも聞いてやるよ。俺はお前に惚れてるからな」
手をひらりと振って、彼女に向き直る。
「で?俺はあの女官をどうすりゃいいんだ?」
彼女はすかさず口を開いた。
「めちゃくちゃに、痛めつけてやって。二度とアラエに近づこうなんて思わないようにして頂戴」
その言葉がわかっていたように、にいっ、と男はまた笑った。
王宮の数ある太い柱の陰で、白髪に何筋かの緑色が混ざった頭を揺らして、若い男は彼女を振り向いた。
「そうよ。あの、褐色の髪の女」
二人が身をひそめる柱から、少し遠くに淡々と廊下を歩く先程の深宮の女官の姿が見える。
アラエに向けるときとは似ても似つかぬほど、冷たい表情の彼女がうなずいた。
「見たとこ、お前とは勝負になんねぇくらいのババアじゃねえか。お前の近侍はほんとにあの女に迫ってたのかよ?」
「だからそうだって言ってるでしょ」
少しいらついた声で、彼女は自分の駒の一つである男を睨みつけた。
「見たんだから。深宮の女官の控室の前で……」
顔を歪める彼女に、ククッとその男は下卑た笑いを投げた。
「フーン。じゃぁアッチの方がよっぽどいいんだろうぜ」
「無駄口聞くためにあんたを呼んだんじゃないのよ!やるの、やんないの!」
ギッと男を睨みつけると、その笑いが一層大きくなった。
「お前が言う事なら何でも聞いてやるよ。俺はお前に惚れてるからな」
手をひらりと振って、彼女に向き直る。
「で?俺はあの女官をどうすりゃいいんだ?」
彼女はすかさず口を開いた。
「めちゃくちゃに、痛めつけてやって。二度とアラエに近づこうなんて思わないようにして頂戴」
その言葉がわかっていたように、にいっ、と男はまた笑った。
