デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「王様は方法を知らないみたいでした。ずーっと昔のことだから、忘れちゃったんだと思うんですけど。それなら、エヴァさんしか知ることのできる人はいないと思ったんです」

少し涙声のように、震える。

「エヴァさん、お願い。調べてみてくれませんか。私、王様と幸せになりたいの、どうしても。お返事、待ってますから……」

締めくくって、ふうっと吐息が小鳥に変わる。

たちまち、戸の細い隙間から一陣の風になって飛び立っていった。

祈るようにそれを見て、ため息をついた。

ふと横を見て、不自然に移動したサイドテーブルと広げたワンピースを見て焦る。

(こ、これどうしよう。どう王様に説明しよう)

もし逃げようとしたと思われたら大変だ。

ワンピースを畳んで戻し、また足の指でもとに戻そうと少しずつ押していく。

だが、もうすぐ王が帰ってくるという焦りからか、グイッと強めに押した拍子に、派手な音を立ててサイドテーブルが倒れた。

「あ……!」

桜は青くなる。

ど…どうしよう。


静かに冷や汗をかいて考えていると、沓の音が、外からかすかに響いてくる。

「!!」

もう帰ってきた!

息が止まるかと思うくらいに心臓がはねた。