デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

寝台に横たわり、悶々と考える。

探すって言ったって、この状況だ。この部屋からすら出られない。

王様を説得できるとも思えないし……下手したらまた怖い目にあうかもしれない。

最初にここに縛られた日の、あの死の恐怖を思い出してブルっと震えた。

(王様には内緒のほうがいいのかな)

不本意だが、そう思った。

内緒にしておくことで、もしいい方法が見つかったとしても、王様が怒ってしまうかもしれないけれど、それはもう賭けだ。
それよりも一緒に生きる方法を見つかったことを喜んでもらいたい。

そう密かに心に決めたのだが、全くどうしていいか分からない。

考えれば考えるほど、迷路に入って行くようだ。

「大体、王様自身が普通の人間に戻る方法を知らないんなら、他に知ってる人なんかいないよね……」

早くもその事に気づいて少し呆然とした。

そう、この世界の誰よりも、彼は長く生きている。

その彼が知らない事なんか、他の誰が知っているだろう?

「ほんとに、気の遠くなるような時間を、生きてきたんだよね……」

自分自身を削りながら。
……その孤独を思う。

名前も忘れてしまったと、彼は言っていた。両親の顔も、もう覚えていないと。

……名前。両親の顔。


「あ」


ハッと、桜は息を呑む。

思わず飛び起きた。

一つの疑問が、胸に浮かんだのだ。