デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そんな二人のやり取りを、苦い思いで見ていたシュリ。

(……何でアスナイは良くて、俺は逃げられるんだよ)

どちらかといえば、桜が慣れていたのは自分の方だったはずなのに。安堵したような表情や、すがるような瞳を向けていたのは。

(……何か、ムカつく……)

お前よりは桜の本音が分かっていると、事もなげに言った昨夜のアスナイの言葉を思い出し、また胸がザラついた。

(何考えてんだ、俺は。ガキか!)

そうだ、自分が飼っているネコが、友人にもいつの間にかなついていて、ちょっとガッカリする――あれだ、きっと。
そういうときはすぐに、一人より友人と一緒にネコと遊ぶほうが楽しくなる。

今回だって、きっとそうだ。

無理やりそう結論づけて、シュリは立ち上がる。

『準備できたか。行こうぜ』

笑顔を作って、馬に乗った。