デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「王様……ど、どうしたの……」

戸惑う桜。

「お前が、行ってしまった夢を見た」

「え……」

「政務から帰ってきたら、もうここにお前はいなくて、どこを探してもいなくて…誰もお前のことを覚えていなくて」

もっと腕に力を込め、その首筋に顔を埋めた。

「王様……」

「お前のせいだ。お前を愛したせいで、自分がこんなにみっともなくて、もろくて卑しい人間だと思い知らされる」

「そん……っん」

言葉を、キスで奪われる。

「安心したい。お前が私のものだと。ここにいると」

その手がねっとりと白い肌を這い始め、愛撫で湿った熱を呼び覚ましていく。

ああ、どうしたらいいんだろう。

どうしたら、この人の怖れを取り去ることができるんだろう。

だんだんと悦楽に白く塗りつぶされていく頭で考えた。

「桜……桜…………っああ…」

白い体を翻弄しながら、甘い声をたてる口を自分のそれで塞ぐ。


それでも、お前と出会わなければよかったなんて思えない。お前のおかげで、狂おしい喜びも味わえたから。

だから、どうしてもお前を放してなんてやれない。

愛している。………殺してしまいたくなるほどに。