短く返事をしながら、またアラエは考える。
桜が深宮にいるのは間違いないだろうが、やっぱり何度考えても、一度も部屋に戻らないのはおかしい。
そして、さも当然のように、主君は桜のことを口にしなくなった。
いや、もう桜などいないかのような振る舞いだ。
まるで……もう存在していないかのように。
臣下たちに、桜の事を忘れ去らせようとしているかのようだ。
そこまで思い至り、なぜか背筋が冷えた。
………完全な独占。
いやまさか、あの聡明で穏やかで、優しく慈しむような目を桜に向けていた王が。
バカなと思うが、心に引っかかる。
もしや、桜は今自分が想像するよりも辛い目にあっているのかもしれない。
ザワッと心が波立つが、一方で、だが近侍とはいっても、一介の臣下である自分が気にしてどうなるものではないとも思う。
ヘタに探って、もし主君の逆鱗に触れたら立場どころか命が危ない。
だが……。
アラエさん、と自分に向けられた笑顔を思うと。
会いたい。
素直にそう思ってしまう。
それに……もしかしたら。
自分の薄汚い打算に、アラエは顔をしかめた。
もし、今桜が辛い目にあっていて、それを何とかできたなら………彼女の心の中に、少しでも自分の居場所が出来ないだろうか。
桜が深宮にいるのは間違いないだろうが、やっぱり何度考えても、一度も部屋に戻らないのはおかしい。
そして、さも当然のように、主君は桜のことを口にしなくなった。
いや、もう桜などいないかのような振る舞いだ。
まるで……もう存在していないかのように。
臣下たちに、桜の事を忘れ去らせようとしているかのようだ。
そこまで思い至り、なぜか背筋が冷えた。
………完全な独占。
いやまさか、あの聡明で穏やかで、優しく慈しむような目を桜に向けていた王が。
バカなと思うが、心に引っかかる。
もしや、桜は今自分が想像するよりも辛い目にあっているのかもしれない。
ザワッと心が波立つが、一方で、だが近侍とはいっても、一介の臣下である自分が気にしてどうなるものではないとも思う。
ヘタに探って、もし主君の逆鱗に触れたら立場どころか命が危ない。
だが……。
アラエさん、と自分に向けられた笑顔を思うと。
会いたい。
素直にそう思ってしまう。
それに……もしかしたら。
自分の薄汚い打算に、アラエは顔をしかめた。
もし、今桜が辛い目にあっていて、それを何とかできたなら………彼女の心の中に、少しでも自分の居場所が出来ないだろうか。
