―――情けない。
まだ、こんなに足が震える。
ここ数日で、二回も大きな悲しみを味わったというのに。
もう振り回されたくない、過去にしたいと、最近はなるべく王の近くの勤務は避けていたのに……。
桜が深手を負ったと聞いたときの、あの足元が崩れていくような感覚。
もし彼女が死ぬようなことになったら、生きていけないと本気で思った。
彼女の幸せ、それだけが今自分が生きる理由だからだ。
主君がつきっきりで、あの武官たちも必死に救助に当たっていたと聞いて、どんなに悔しかったか。
一命を取りとめたと聞いて、心の底から安堵して。
……そしてすぐに、主君が女官の目もはばからずに彼女を溺愛し始めたと聞いて。
良かった、愛しあう二人が、心も身体も通じ合えたのだと。
そう思わなくてはならないのに、まだ夜ごと身を焼くような悔しさと悲しみと、嫉妬に苦しめられている。
あんな嘘で、逃げた罰だ。そう思っていた。
何度も主君が念を押したように、最後まで、自分の気が済むまですがってみればよかったのに。
あの、赤髪のバカな武官がそうしたように。
桜とあれ以上気まずくなるのが嫌で、完全に繋がりが絶たれるのが恐ろしくて、できなかった。
まだ、こんなに足が震える。
ここ数日で、二回も大きな悲しみを味わったというのに。
もう振り回されたくない、過去にしたいと、最近はなるべく王の近くの勤務は避けていたのに……。
桜が深手を負ったと聞いたときの、あの足元が崩れていくような感覚。
もし彼女が死ぬようなことになったら、生きていけないと本気で思った。
彼女の幸せ、それだけが今自分が生きる理由だからだ。
主君がつきっきりで、あの武官たちも必死に救助に当たっていたと聞いて、どんなに悔しかったか。
一命を取りとめたと聞いて、心の底から安堵して。
……そしてすぐに、主君が女官の目もはばからずに彼女を溺愛し始めたと聞いて。
良かった、愛しあう二人が、心も身体も通じ合えたのだと。
そう思わなくてはならないのに、まだ夜ごと身を焼くような悔しさと悲しみと、嫉妬に苦しめられている。
あんな嘘で、逃げた罰だ。そう思っていた。
何度も主君が念を押したように、最後まで、自分の気が済むまですがってみればよかったのに。
あの、赤髪のバカな武官がそうしたように。
桜とあれ以上気まずくなるのが嫌で、完全に繋がりが絶たれるのが恐ろしくて、できなかった。
