アラエはまた、首をかしげた。
ここ何日か、桜への主君の『お召』がない。
いつも謁見が終わってアクセサリーを控えの間で取ったあとに近くに呼ばれ、桜を深宮へ連れてくるように命じられる。
その繰り返しだったのだが、最近はそれがなく、控えの間から出た王はさっさと深宮へ行ってしまう。
今日も、主君から呼ばれるかと控えの間の戸の方を見ていたのだが、やっぱり彼が呼ばれることはなかった。
火急の用事でもないから、直接主君に『何故、ご客人のお召がないのですか』と聞くわけにもいかず、王の歩き去った後、控えの間の前で、ただ不審に眉をひそめるばかりだった。
主君に変わったところはないように思うのだが……。
お召が無い以上、用もないのにあまり深宮方向へ立ち入るのはまずい。
桜の顔を思い出し、そっと公宮の裏口から遠くに見える客用の宮を見つめた。
神宮に行くのを止めようとする自分に、毅然とした態度で、私は私のものだと言い放ったあの表情。
胸に焼き付いて離れない。
自分に対して、あんなに媚びずに凛とした目をした女性に会ったことがなかった。
眩しくて、清くて。
そして………めちゃくちゃに汚してやりたくなる。
ここ何日か、桜への主君の『お召』がない。
いつも謁見が終わってアクセサリーを控えの間で取ったあとに近くに呼ばれ、桜を深宮へ連れてくるように命じられる。
その繰り返しだったのだが、最近はそれがなく、控えの間から出た王はさっさと深宮へ行ってしまう。
今日も、主君から呼ばれるかと控えの間の戸の方を見ていたのだが、やっぱり彼が呼ばれることはなかった。
火急の用事でもないから、直接主君に『何故、ご客人のお召がないのですか』と聞くわけにもいかず、王の歩き去った後、控えの間の前で、ただ不審に眉をひそめるばかりだった。
主君に変わったところはないように思うのだが……。
お召が無い以上、用もないのにあまり深宮方向へ立ち入るのはまずい。
桜の顔を思い出し、そっと公宮の裏口から遠くに見える客用の宮を見つめた。
神宮に行くのを止めようとする自分に、毅然とした態度で、私は私のものだと言い放ったあの表情。
胸に焼き付いて離れない。
自分に対して、あんなに媚びずに凛とした目をした女性に会ったことがなかった。
眩しくて、清くて。
そして………めちゃくちゃに汚してやりたくなる。
