デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

旅が始まって三日目。
朝になっても、シュリはいつになく憮然としている。
黙々と、昨日の残りのイノシシ肉を紙に包んでは紐で結わっていた。

そっとその様子を見ながら、桜は自己嫌悪に陥る。

(怒って当然だよね、やっぱり……)

恐らく親切でしてくれた事を、自分の羞恥心と卑屈さで無下にしてしまった。しかもその後無視も決めこんで。
何を勘違いしてるんだか。ただ自分に暖をとらせてあげようとしてくれてただけだろうに。

(言葉が通じたら……)

謝りたい。

あんな明るい人に、あんな表情をさせてしまっている。

シクシクと、胸が痛んだ。

『桜』

しょんぼりと下を向いていると、アスナイが髪紐を手にやってきた。

『貸してやるから、使うがいい。そのままだと鬱陶しいだろう』

そう言う自身の髪は、瑞々しい蔓草で結われている。

それを指しながら、紐を桜に渡した。

(……できるかな)

早速挑戦してみたものの、ゴムやシュシュに慣れている人間には難しい。