長い夜が明けて、灯りがとうに尽きていた王の私室も、わずかに明るくなってきた。
いつもの習慣だからか、フッと目が開く。
自分の腕の中で少し眉を寄せて苦しそうに眠る、黒髪の少女の顔が見えた。
その頬は青白く、よく見たら涙の跡がいく筋も付いていた。目元は少し赤く荒れている。
……無理もない。
怖い、許してと懇願して泣き叫ぶ彼女を、この狂気のおもむくままに、何度も。
とうとう意識を手放したのを見て、やっと王は桜を解放したのだった。
首には噛み痕。薄っすらと紫色になってしまっている。そしてその下には、たくさんの赤い印が散らばっていた。
「…………」
少し、眉を寄せた。
酷い事を。苦痛など絶対に与えるまいと思っていたのに。
そんな風に、まだいたわりの気持ちが残っていることに自分で驚いた。
夢でも苛まれているのだろうか、桜が小さく息を呑んで眉を歪め、顎を震わせた。
そっと自分が怒りに任せてつけてしまった噛み痕に口を寄せ、その舌が優しくなぞる。
いつもの習慣だからか、フッと目が開く。
自分の腕の中で少し眉を寄せて苦しそうに眠る、黒髪の少女の顔が見えた。
その頬は青白く、よく見たら涙の跡がいく筋も付いていた。目元は少し赤く荒れている。
……無理もない。
怖い、許してと懇願して泣き叫ぶ彼女を、この狂気のおもむくままに、何度も。
とうとう意識を手放したのを見て、やっと王は桜を解放したのだった。
首には噛み痕。薄っすらと紫色になってしまっている。そしてその下には、たくさんの赤い印が散らばっていた。
「…………」
少し、眉を寄せた。
酷い事を。苦痛など絶対に与えるまいと思っていたのに。
そんな風に、まだいたわりの気持ちが残っていることに自分で驚いた。
夢でも苛まれているのだろうか、桜が小さく息を呑んで眉を歪め、顎を震わせた。
そっと自分が怒りに任せてつけてしまった噛み痕に口を寄せ、その舌が優しくなぞる。
