デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

真っ暗だ。

次に意識を取り戻した桜はそう思った。

暗くて重い。

(……天国って、こんなとこなの?)

漠然と思っていたのとは全然違って、ガッカリする。

なんだかまだ息苦しいような気がして、はあっ、と息をついた。

なんだろう。首のあたりに、妙に柔らかくて不愉快なものがまとわりついているような。

(私……死んだのよね?)

だって、王様に。

(………王様、別人みたいだった)

狂気と恐怖と、そして……深い悲しみと。

(幸せにしてあげますって、言ったのに)

ごめんね、王様。

また、息が苦しい。なんだか呼吸が邪魔されてるような。

首を振り、ぱたぱたと顔の前で手をあおいだ。

(どうしようもなかったのかな)

今更、悲しく考える。

(もっとたくさん、王様とやりたい事いっぱいあったけど……)

そう思ったとき、また首の不快感と息苦しさを感じた。

何だか、それがだんだんとリアルになっていく。

(もう……何で死んでまで、こんな………)

桜は頭を振りながら顔をしかめた。