デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「自分がどんどん年を取って、好きな人が変わらずきれいなままの気持ちがどんなものか!」

「………!」

「そして、必ず私はあなたを残して死ぬ」

継ごうと思った言葉が、王の喉にはりついた。

「あなたはまた、永い時を生きて、私と暮らした何十年なんか、一瞬になる。………きっと、私のことなんか、忘れていきます」

「そんなことはない!!お前を忘れたりなど……お前を……お前を……」


『お前を一人きりで、神の御許になど、行かせない』


言えない一言が、重く心にのしかかった。

「またきっと……あなたは好きな人が出来て、大切にします、その人を」

「な………」

信じられない一言に目をむいて、苦しげに歪む彼女の顔を見た。

「自分がいなくなったあとのことなんか思っても、仕方がないって分かってます……!」

泣き声が大きくなる。

「でも嫌なの!こういうふうに、王様に大切にされる人がまたできるかもって思うだけで、悲しくて、苦しくて、どうしようもないんです!!」

「違う!違う!!お前だけだ、後にも先にも、こんなに愛しい女は、お前しかいない……いるはずない!」