デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

たまらず顔を伏せ、両手で覆って泣き出した。


ダメだ、これ以上この人に大切にされたら。

これ以上、この人のことを好きになってしまったら。


驚く王は、あわてて桜の背中に手を置いた。

「どうした?どうしたのだ」

突然の涙にまばたきを多くして、そっとその肩を抱く。

「すまぬな、やはり気に入らなかったか?」

いたわるようなその声に、桜は顔を覆ったまま頭を振った。

「違う………違います…」

「なら、なぜ?私は何か知らぬうちに、お前に無体をしたか?」

優しく問われ、そっとその唇が髪に寄せられた。

「王様……王様、私、あなたが大好きです。私を好きになってくれて、ほんとに嬉しかった……」

「桜」

ホッとして、彼が微笑もうとしたその時。

顔を下に向けたまま、ぐいと桜の両手が、彼の胸を押し返した。

「だから……だから、その指輪は受け取れません」

何を言われているのかわからずに、王は固まった。

「もうこれ以上、あなたと一緒には……いられません」