デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「えっ!?」

驚きのあまり、桜は飛び上がった。

にこにこと、エヴァは元気に笑ってみせる。

「好きでした、桜さんのことが。たった一回お話しただけで、あなたの事が忘れられなくなった」

「エヴァさん………」

「会いたくて、ううん……ずっとそばにいてほしくて。生まれて初めて、恋をしました。だから、男性になりたかったんですけれど……」

言っていくうちに、その空元気で作った笑顔がしぼんで、切なく眉を寄せた苦笑いになる。

「神は、それをお許しにはならなかった。あなたは私の……そして、私はあなたの運命ではなかったという事です」

その白魚のような繊細な指が、着物の膝を握りしめた。

「でも……良かった。あなたのおかげで、神児として生まれながら、こんな美しくて鮮やかな感情を味わうことができたんですから。感謝しなくてはなりません」

潤む瞳を、たまらず伏せるエヴァ。

「こうして女の身になったのに、まだ……胸が痛むのが信じられませんけど。でもきっとあなたの事を、違う形の愛情をもって見ることができるようになるはずです」

少し泣きそうなその震える声に、桜はそっとその手を彼女のそれに重ねた。

「ありがとう……エヴァさん」

素直に、自分を想ってくれたその心に感謝する。