デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

それから一刻ほど後。

桜が一番最初にエヴァに会った、あの御簾が下がった部屋で、二人は向かい合って座っていた。

小さな卵型の顔に、ますますぱっちりと可憐なアイスブルーの瞳。それは長くてふさふさのまつげに縁どられていた。
唇は少しふっくらしただろうか。グロスもつけていないのにつやつやと輝いている。

そして胸には、華奢な体の割に少し重たげな二つの膨らみが、果実のようにそこにあった。

「エヴァさん……お疲れ様でした」

見惚れたまま、桜が微笑む。

「すっっごい美人………うっとりしちゃうなぁ」

はぁ…と感嘆のため息をつく。するとエヴァは頬を桜色に染めた。

「そんな……」

「ううん、本当に。大丈夫でしたか?怖くなかった?」

桜が聞くと、首を振った。

「いいえ、戸の向こうに、あなたがいると思っていたから……。ありがとう、本当にありがとう……桜さん」

美しい微笑みを浮かべ、エヴァは桜を見つめた。

そして、ふっと目を伏せる。

「………これで、良かったんでしょうね……きっと」

「え?」

桜がその言葉の真意がわからずに、まばたきすると、ふふっ、と笑って顔を上げた。

「あのね、桜さん。私、もし男性になったら……あなたに私の子を産んでほしいと、言おうと思っていたんです」