デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

翌日、王宮に帰るための簡単な身支度を終えた桜は、朝からあの扉の前に座っていた。

(エヴァさん、どっちになってるのかなあ)

本当に不思議な摂理だが、桜はもう受け入れている。

(男の人だったら、とんでもないイケメンさんだろうな。王様とどっちがきれいかな……ほんとに張っちゃうかも)

ふふ、と小さく笑う。

(女の人だったら………うーん……見たことないくらいの美人だろうなぁ。ほんと想像がつかないや。……エヴァさんの結婚相手って、どんな人になるんだろ。すっごいラッキーだよね、こんなきれいで優しい人)

今度はうん、と一つうなずいて、自分で納得した。

(でも……)

そっと、目の前の固く閉ざされた扉を見る。

(エヴァさんを大事にして、支えてあげられる人が来てくれればいいなあ)

恋も知らないまま結婚するという神児。

せめて、幸せであるように。

桜は心からそう祈った。