デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

重厚な扉が開かれ、宮の奥深くの部屋に、エヴァが一人ふらつく足で入っていった。

わずかに見えた中は暗く、ほのかに青白い光が見えるばかりだ。

三日もあんな中にひとりぼっちでいるのかと思うと、桜は胸が痛んだ。
そんな彼女の心をわかっているかのように、扉が閉まるその時まで、エヴァは微笑んで桜を見つめていた。

バタン……と重い音とともに、扉がエヴァの姿を向こうに隠す。

これからは、あの部屋の向こうは神性の時間だ。

何人たりとも侵してはならない領域。

桜は大きな錠がつけられた扉の前で、黙ってたたずんでいた。

(神様、どうかエヴァさんが、怖い思いをしませんように)

そっと祈り、目を伏せた。

「桜様」

無表情な女官が、おもむろに声をかける。

「はい」

「神児様からのお言いつけで、お部屋をご準備いたしております。そこでどうぞごゆるりとお過ごしを」

うなずいて、桜は分化の間を出ていった。