デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

愛する人から向けられる、滅多にない非難の言葉に、たまらず一筋涙が伝う。

「心細いと……困っている人のそばに、たった三日いてあげることが、そんなにダメな事ですか」

手厳しい言葉を向けたはいいが、その涙に心の動揺を隠せずに、王は目をそらした。

「……神力は使えず、王宮からも離れている。お前に何かあっても、私はすぐに駆けつけられない」

「そのために、武官さんたちが警備をされるんでしょう?王様の指示で。私は怖くないですよ、王様を信じてるもの」

「………」

「王様は?」

「…………」

「王様は、私を信じてくれないの?」

その言葉に、初めて目元を歪ませた。

「信じている……信じたい。だが……不安なのだ」

「え?」

「神宮に行かせたなら、お前が遠くに行ってしまいそうな気がして」

眉を寄せて怪訝そうな桜に手を伸ばし、その手を引いて部屋に入れる。
パタンと戸が閉められ、彼は少女を抱きしめた。

「嫌な予感がして。お前が……私から離れて行ってしまいそうで」

「何、言ってるんです。今更そんなことあるわけないじゃないですか」

ガラッと変わったその自信なげな王の姿に、困惑する。

「………」

「私の帰る場所は、ここだって言ったでしょう?王様。何でそんなこと言い出すの?」

揺れる紫の瞳をのぞき込む。