デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

むにっ、と王の指が桜の頬をつまむ。

「……油断もスキもない」

ジトっと睨まれた。

「もう一度、ようく思い知らさねばならんな」

舌なめずりをする獣のような目の光に、体が動かなくなる。

桜の夜着の帯に、その手が伸びた。

シュ、という音にハッとしてあわてる。

「王様王様!ちょっと!もう、もう今日は!」

急いで押しとどめようとする桜の両手を片手でつかみ、ソファに留めた。

「お前が不用意な言葉で、私を煽るからだ。誰と行くつもりなのか知らんが、他の男との遠乗りなど許すものか」

ちゅ、とその首筋にキスをする。

(はぅ〜……)

また、この人に翻弄されるのか……と顔を赤くして、

(もう本当に……身が持たないよ……)

困惑と羞恥に震える。

(いつ、その……落ち着くんだろ)

ずっと、こんなに一日に何度も求められては。

嬉しくもあるが、執拗で、少し……いやかなり意地悪な彼の愛し方は、毎度桜を身も心もヘロヘロにしてしまう。

だけど。

「ん…桜……。可愛い……」

こうやって、心底愛おしそうに自分を呼んでくれるから、結局抵抗もすぐあきらめてしまうのだ。