デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ぐい、と彼女の華奢な腕を引っ張って、ベッドへ連れて行く。

キスをしながら、手慣れた様子でそのワンピースを脱がせた。

「あっ……アラエ……もう……!」

くすくすと笑う彼女。

アラエは黙ったまま、彼女の身体をうつ伏せにした。

「あ………」

自らもシャツを脱ぎ捨てながら、眼下の小さな背中にさっきのトワレを何滴か垂らす。

たちまち、もともと何の匂いもなかった部屋中に、清廉な香りが満ちた。

「きゃっ!も、もう……アラエったら、つけすぎよ……せっかく買ってもらったのに、すぐなくなっちゃうわ」

「また買ってやる。……いいから黙って、身を委ねろ」

香りをいっぱいに肺に入れて、彼女を後ろから抱く。


そうだ。口を開くな。


でないと、せっかくの香りが台無しだ。

あの娘の香りが。


――“アラエさん!”


あの、ひどく不細工で………清らかな微笑みが。

その赤銅色の瞳が熱に揺れて、まぶたに隠される。


寄せる肌がしっとりと汗ばんで行くのを感じながら、アラエは夢中で、あの黒髪の少女を抱いた。