デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

香水の店を出て、アラエは彼女に言った。

「私の部屋に行こう」

「えっ!?」

目を見開き、彼の顔をまじまじと見つめた。

「何だ、嫌か?」

片眉を上げてその美しい女官を見ると、ゆっくりとその瞳が潤み始める。

首を横に小刻みに振りながら、ひしと彼の胸に抱きついた。

「嫌じゃ……嫌なんかじゃないわ!嬉しい………!」

「そうか」

抑揚のない声でその喜びを受け止める。

「ああ、やっと報われた気がするわ……!あなたのために、あなたに選ばれたくて、おしゃれにも美容にも、ずっと気を配っていたの。料理も、お裁縫も、全部あなたのためだけに頑張って上手になったのよ」

「……」

「他の女を近づけさせないように、頑張ったわ。あなたが好きだから……」

私のため、私のためだけ……か。

アラエはそっと、彼女の頭を見下ろした。

いじらしいな。



いじらしくて……愚かで、薄汚い女だ。