デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

帰したくなくなった、と言われ、結局今日も部屋に泊まることになった。

(またお泊り出来ればいいなとは思っていたけど……)

連続なんて。

お湯の中で一人、桜は顔を赤くした。

一緒に入る約束だろうとごねられたが、

“だから身が持ちません!”

“湯殿でまで、お前を求めるような真似はしない”

“絶対?”

“……………”

“行ってきます”

“約束を違えるのか”

“許してくださらないと、客用の宮に帰りますよ”


というようなやりとりを経て、この束の間の安息を手に入れたのだ。

タガが外れたような彼の求愛ぶりに、また赤くなって戸惑いのため息をついた。

けれど、部屋に来たときのあの恐い表情を思い出し、ブルッと身を震わせた。

もし私が逃げたら。裏切ったら。

何をすると言いたかったのだろう?

何百年もの時を生きてきて、初めて心から愛した人間を手に入れて。

その喜びが、絶望や憎しみになったなら………。

頭を一つ振って、ザバッと立ち上がった。