デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そんな身を切るような言葉とすがるような瞳に、桜はますます赤面した。

彼の肩に置いていた手を、ぎこちなくゆっくりと首に回し、頬を合わせた。

「ごめんなさい、王様……。嫌な思いさせて」

温かなその肌に、彼は目を閉じる。

「でも、信じてください。私が好きなのは、王様だけです……こんなことしなくたって」

きゅっ、と優しい締めつけに、王は幸福のため息をついた。

だが、胸の中の黒い狂気がまだくすぶっている。

桜を手に入れて、嬉しすぎて、幸せすぎて。

そのしびれるような幸福の影のように、彼女とのこの幸せを、誰にも奪われるものか、邪魔するものは消すという負の感情も、また大きくなっていた。

「それは……心から信じられるようになりたい。だから、もっと安心させてくれ」

「え?ど、どうやって」

キョト、と目を丸くする桜を、部屋の奥、寝台に引っ張って行く。

優しく押し倒して、揺れる瞳で小さく彼女を乞う。

「したい……桜」

あまりにストレートな表現に、頭から湯気が出そうだ。

目を回し、やっとのことでかすかにうなずいた。

すぐに、深いキスが始まる。

(ま、ま、真っ昼間なのに!!こここ、こんな……)

恥ずかし過ぎて視界がチカチカするが、ふと、さっき部屋でフラウとルネが言っていた事を思い出した。

王を喜ばせたければ、『素直に聞け』と。

(王様が喜んでくれたら、少しは安心して信じてくれるかな?)

耳打ちしたルネの言葉がよみがえる。

“桜様。我が君とおしとねの中に入られたときに、こうおっしゃいませ……”

「王様……待って、あの」