デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

顔がたちまち朱に染まって、黒曜の瞳が潤む。

フッ、と彼の口元が歪んだ。

「ほう……。いきなり直接触れるような無体はしておらぬはずだがな。もうこんなになるか」

「うぅ……」

「昨日の今日ので……。悪い子だ」

赤い顔の桜は、泣き出した。

「やだ……ひどい、王様……」

「ひどい?」

パシン、と軽く腰を打たれる。

「どちらがだ。いつまでもいつまでも虫をおびき寄せおって。いつになったら、どうしたら全て私のものになるのだ」

ここで初めて、苦しげな表情になる。

両手を離し、彼女の頭を引き寄せ口づけた。

「んん……」

「本当は、こんな……お前を貶めるようなマネ、したくなど……ない」

音を立てて口づけながら、ぐいと腰を引き寄せ抱きしめる。

「私の不安を煽ってくれるな……。お前と心も体も繋がったら、きっと安心すると思ったのに……」

切なくため息をついて、彼女の頬をなでた。

「ますます、お前に狂っていくようだ、桜……。一日一日、お前に恋をしている」