デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「そっか……そういえば、フラウさんとルネさんが、いい匂いの香水つけてくれたっけ……」

独り言を言う桜。ふと、アラエを見た。

「アラエさんは、何か香水つけてるんですか?」

「え?」

「あら?こっちじゃ男の人って香水つけないんでしたっけ?」

つい、と近寄り、アラエの腕のそばで鼻を動かした。

「………っ」

「あ、いい匂いしますね。あれ?でも結構甘い匂い……なんか女の子の匂いみたいじゃないですか?」

ギクリとして、身を引いた。

あの女の部屋の移り香か。気をつけていたが、甘ったるいあの匂いが移ったのかもしれない。

思わず動揺するアラエの顔を見ていた桜。

ごくたまに発揮する勘の鋭さで、あ!と笑顔になった。

「わーかった、彼女さんの匂いだ!」

「!」

赤い顔が強張った。

「えー何アラエさんたら、ラブラブなんですねえ!匂いまで移っちゃうなんて」

にこっと大きな笑顔が、胸に刺さる。

「おやめください、お戯れは」

「あ、照れてる。彼女さんて、やっぱり女官さんですか?アラエさんが付き合うなら、きっと可愛いんでしょうね」

にこにこ笑う彼女をまた睨む。

「そんな……そんな女など」

おりませんと言いそうになったその時。