デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

きっと、フラウとルネが深宮付の女官に抜かりなく託したのだろう。

普通の女の子のようだが、さすがは王宮、その中でも公宮より奥に立ち入ることの許された女官だ、ソツがない………じゃなくて!

(こんなスケスケでエロいの無理だってばぁ…)

思わず四つん這いで、ガクーッッと負のオーラをまとう。

さっさと普通の夜着に袖を通して帯を締めた。

(……これにしたって、この下はハ、ハダカだもんなぁ)

もとの世界の、Tシャツと短パンが恋しい。

しかしふと改めて、シディのくれた夜着を見た。

(……でも確かに、キレイだし素敵なんだよね)

繊細な、女性の柔肌にも優しそうな白い生地。

それを惜しげもなくたっぷりと使って、まるで童話の中のお姫様のようなロマンチックな夜着だ。

「…………」

挙動不審にキョロキョロとあたりを見回したあと、一度締めた帯を解いた。

薄くて繊細なそれをうっかり破かないよう、注意しながら頭を通す。
首の後ろで細い紐を結んで、桜は鏡の前に立った。

「わあ………」

思わず見とれる。

思ったよりいやらしさはなく、むしろ清楚に見えた。

「かわいい……素敵だな」

そーでしょ子豚、着もしないうちから無理無理言ってビビってんじゃないわよッ、というシディの高笑いが聞こえてきそうだ。