夜がゆっくりとふけて、空気が湿り気を帯びる。少しひんやりとした小さな風が、そっとたなびいていた。
わずかに開いた障子から、その風が王の部屋に入る。
が、そこに渦巻く静かな熱気にすぐかき消された。
「あーもう、また負けた!」
悔しそうな少女の声に、くすくすと忍び笑いが合わさった。
「ふふん……。そなたが勝ったのは最初の一度だけであったな」
鼻を突き合わせるようにしてのぞき込んでいた盤の上から王が顔を上げ、満足げに髪を払った。
「もう……。王様角ばっか取るんだもん。いやらしいったら」
「それの何が悪い。攻略の要であろうが」
澄まして見下ろす。
ちぇー、と唇を尖らせて、数えていたコマをそろえ始める桜。
その表情がなんだか幼い感じがして可愛くて、またくすりと笑った。
「なかなか奥深く面白い遊びだ。皆にも教えてやるか。流行るかも知れんぞ」
「結構ハマるでしょう?」
「ああ」
微笑んでうなずいて、ふとわずかに開かれた障子の外を見る。
すっかり暗くなっているのを見て、微笑みをおさめた。
わずかに開いた障子から、その風が王の部屋に入る。
が、そこに渦巻く静かな熱気にすぐかき消された。
「あーもう、また負けた!」
悔しそうな少女の声に、くすくすと忍び笑いが合わさった。
「ふふん……。そなたが勝ったのは最初の一度だけであったな」
鼻を突き合わせるようにしてのぞき込んでいた盤の上から王が顔を上げ、満足げに髪を払った。
「もう……。王様角ばっか取るんだもん。いやらしいったら」
「それの何が悪い。攻略の要であろうが」
澄まして見下ろす。
ちぇー、と唇を尖らせて、数えていたコマをそろえ始める桜。
その表情がなんだか幼い感じがして可愛くて、またくすりと笑った。
「なかなか奥深く面白い遊びだ。皆にも教えてやるか。流行るかも知れんぞ」
「結構ハマるでしょう?」
「ああ」
微笑んでうなずいて、ふとわずかに開かれた障子の外を見る。
すっかり暗くなっているのを見て、微笑みをおさめた。
