デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

そんな桜にくすっと笑う。

「……仕方のない奴よ」

言ったかと思うと、噛みつくように唇で唇を覆った。

手まで熱くなるのを感じ、桜の心臓はドクドクと早鐘を打った。

緊張して、胸が痛くて、恥ずかしいけど……でも。

繫ぐ息の間から、桜がささやく。

「ん……王様……あの、あの………」

「……何だ…。まだ……離してやる気はないぞ」

釘を刺す彼に、ふるふると小さく首を振った。

「違うの……そうじゃ、なくて……」

「……ん?」

わずかに唇を離し、目を合わせた。

「あの……やっぱり、王様に……してもらうほうが……気持ちよくて、嬉しい、です……」

潤んだ瞳と真っ赤な顔のまま、小さく笑う。

「………!!」

紫の目が見開かれ、カッと熱が上がる。

「〜〜っっ……」

バッ、とその顔を下に向けた。

「王様?」

「…………」

「あの……?どうし」

のぞき込もうとする桜の頭を、ぎゅっと胸に抱く。

そのまま、柔らかな草の上の敷物に二人で横たわった。

「ひゃっ!び、びっくりした……王様?」

顔を上げて、王の表情を見ようとするが、それを許さないかのように抱く腕に力がこもった。

「んっ」

「……見るな。本当に……今だけは」

「え……な、何で…」

くぐもった、ぶっきらぼうな声に聞くが、黙っている。

(見られてたまるか)

こんな、情けなく緩みまくった顔なんて。