デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

もう一度目を固くつぶって、精一杯の勇気を出す。

「んん……」

ちゅ、と小さな音をたてながら、桜の唇が彼のそれを挟むようについばんだ。

後頭部をつかむ手が、一瞬ぴくりと動く。

そろそろと両手を肩に置いて、何度かその動きを繰り返すと、はぁ……と小さな息が、王から漏れた。

真っ赤な顔で、潤む黒い瞳を伏せてぎこちなく自分を求める彼女。

口をこじ開けてしまいたい衝動を抑えながら、その動きにそっと合わせてやる。

すると安心したのか、ほんの少し口づけが深くなったかと思うと、つつ、とその舌が唇をなぞった。

「!」

ゾク、と背中に情欲が這い上がる。

(く……)

ちゅぅ、と唇を吸われ、思わずその紫の瞳を細めた。

一方、もう恥ずかしさの限界を迎えた桜は、少し顔を離す。

「……あの、あのう……もう…これ以上は」

「ダメだ。まだ、足りない……」

「そんなぁ……」

情けない声を出して、ふにゃ、と王の肩に額を伏せた。