デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ひゅん!

空気を切る音がして、鋭い線を描いて石が飛んでいく。

スピードにのったそれは、水面の上で、一、ニ、三……四回。

「…………」

「よし、どうだ桜?文句あるまい」

ぱっと大きな笑顔で、王は桜へ向き直った。

(な、何でこんなすぐなんでも出来るの!?紙飛行機はあんなにヘタなのに!)

驚いてまばたきを繰り返した。

その心の中が分かっているかのように、クスクスと王は忍び笑いをした。

「ふふ……そなたからの口づけは貴重で、この上なく甘くて心地よいからな。そのためなら、大抵のことはやってのけるさ」

「!」

頬を染める桜の手をとり、敷物のところへ戻る。

また二人でそこに座ると、期待に満ちた目で王が桜を見つめた。

(もう……強引というかなんというか……)

赤い顔でしばらく困っていたが。

一度目をぎゅっとつぶってまた開くと、一つ息をついて。

(えい)

少し上半身で伸び上がり、唇をそっと合わせた。