デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

「そりゃ…こんな短期間できれいには治らないですけど」

唇を尖らせた。

「そうであろう?やはりカガクなどよりも神力が優れておるな」

むっ。

「でも、神力って誰でも使えるわけじゃありませんよね?科学は違いますよ、誰にでも使えます」

フーン、と鼻から息をして、ツイと白い顎を上げる。

「今までの人間が必死に築いてきた人類の宝物です。黙ってても神様からホイホイもらえる力じゃないんです」

「何?」

カチンときたのか、王が眉を寄せた。

ムニッ、とその頬をつまむ。

「神力でその深手を癒やしてもらっておきながら、よくもそんな口を」

はへぁ、と息をもらしながら桜も王を振り仰いだ。

「そんな口、って言うんだったら、王様の方こそ紙飛行機くらいまともに飛ばせるようになってから言ってください」

そう言って桜が笑うと、うっ、と今度は王が口を閉じて、顔を赤くする。

「……後で、覚えておれよ」

小さくつぶやき、ジロっと睨んだ。