それから少しして戸が叩かれ、いつものシンプルな出で立ちの王が姿を見せた。
「桜。出られるか」
「あ……はい」
「行こう」
嬉しそうに差し伸べる手を、そっと取った。
「……はい」
公宮裏口から出る階段の下には、もう彼の月毛の馬が繋がれていた。
手をつないだまま階段を降り、綱を解く。
軽い身のこなしでひらりと飛び乗った。
バスケットを持っていたので少し手間取ったが、桜も騎乗して馬は歩き始める。
「いいお天気になってよかったですね」
「ああ。今からは雨が増えていくからな。今日できてよかった」
そっと手綱を握るその両手が、優しく桜を抱きしめた。
ふう、と小さくため息をつく。
「最近はそなたとこうして午後をゆっくりと過ごすことが出来なかったからな」
「色々ありましたからねえ」
「まあな。主にそなたが原因だが」
少し意地悪な声に、えっ、と振り返る。
「そうでしたっけ?」
「カナンに会いに行き、その次は神児に会いに行き……『魔』の襲撃があって、そなたは怪我をした」
どうだと言わんばかりだ。
「桜。出られるか」
「あ……はい」
「行こう」
嬉しそうに差し伸べる手を、そっと取った。
「……はい」
公宮裏口から出る階段の下には、もう彼の月毛の馬が繋がれていた。
手をつないだまま階段を降り、綱を解く。
軽い身のこなしでひらりと飛び乗った。
バスケットを持っていたので少し手間取ったが、桜も騎乗して馬は歩き始める。
「いいお天気になってよかったですね」
「ああ。今からは雨が増えていくからな。今日できてよかった」
そっと手綱を握るその両手が、優しく桜を抱きしめた。
ふう、と小さくため息をつく。
「最近はそなたとこうして午後をゆっくりと過ごすことが出来なかったからな」
「色々ありましたからねえ」
「まあな。主にそなたが原因だが」
少し意地悪な声に、えっ、と振り返る。
「そうでしたっけ?」
「カナンに会いに行き、その次は神児に会いに行き……『魔』の襲撃があって、そなたは怪我をした」
どうだと言わんばかりだ。
