――バカは嫌いだ。
ぐっと顔をしかめて、心で桜の寝顔へ言う。
(お前は、バカな『あいつ』に似ている。だから嫌いだ)
バチ、と火の中でまた薪がはぜた。
けれど、なぜこの娘に対してこんなに罪悪感があるのだろう。
他人の涙に動揺したのは、あれが初めてだ。
シュリがあっさりと彼女をなだめたのを見て、どうして惨めな気分になったのだろう?
アスナイは桜から目線を外し、炎を見つめる。
――分かっている。知らぬこととはいえ、この娘の一番の傷に触れてしまったのだろう。そして…俺はそれに為すすべがなかった。
もそ、と桜が身じろぎする音がし、夜の冷気が鼻にきたのか、小さくくしゃみをした。
そっと桜に近寄り、アスナイは自分の毛布を広げる。
ふわりと彼女にかけ、またその寝顔を見つめた。
『……すまなかった』
ぐっと顔をしかめて、心で桜の寝顔へ言う。
(お前は、バカな『あいつ』に似ている。だから嫌いだ)
バチ、と火の中でまた薪がはぜた。
けれど、なぜこの娘に対してこんなに罪悪感があるのだろう。
他人の涙に動揺したのは、あれが初めてだ。
シュリがあっさりと彼女をなだめたのを見て、どうして惨めな気分になったのだろう?
アスナイは桜から目線を外し、炎を見つめる。
――分かっている。知らぬこととはいえ、この娘の一番の傷に触れてしまったのだろう。そして…俺はそれに為すすべがなかった。
もそ、と桜が身じろぎする音がし、夜の冷気が鼻にきたのか、小さくくしゃみをした。
そっと桜に近寄り、アスナイは自分の毛布を広げる。
ふわりと彼女にかけ、またその寝顔を見つめた。
『……すまなかった』
