デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

冷たい声に、うっ、と口をつぐむ美女は、唇を一度噛んだあと、

「だって…、前はもう少しいてくれたわ。こんな……終わってすぐに出ていったりしなかった」

低い声で言った。

「そうだったか?」

興味なさげに、下着の帯を締める。

「そうよ。………アラエ、この間から変だわ。すごくそっけなくなった」

「………」

「我が君から、新しいお役目を任されてからよ。だんだん、私といても何か別のことを考えてるみたいにぼうっとして」

その時脳裏に、あの不細工な娘の、清廉な微笑みがよみがえった。

まっすぐ礼を言いながら頭を下げた、あの太った姿が。

「気のせいだろ」

そう言いながら、上衣に袖を通す。

「………女じゃないわよね?」

少し震えるような声が、背中にかぶさってきた。

一瞬手が止まった。

「そんなわけないだろう」

冷たく鼻を鳴らした。
けれど、ベッドで身を起こして、きゅっとシーツを握りしめる彼女の手は白くなっていた。

「アラエ、私のこと、好きよね?」

「ああ」