デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~


もう一度困惑のため息をついて、ふと顔を上げて二人を見ると、ウルウルとその瞳を揺らしていた。

「……フラウさん?ルネさん?」

桜が呼びかけると、ひし!とそれぞれ桜の手を取る。

「やっと!やっとでございますのね!」
「よくご決心されましたわ!桜様!」

「は…」

また、娘を嫁に出す母親のような目の輝きでハラハラと涙を流している。

「でも……い、い、いやらしい奴って思われたかなぁって」

眉を下げて小さくつぶやくと、「まさか!」と否定した。

「そうですかねえ…」

「ええ、お喜びになりこそすれ、そんな事はありませんわ」

「でも、王様あのあとすぐご飯食べて、パッと帰っちゃったんです」

ますます自信なげに言う桜に、二人は笑った。

「戸惑って、照れてらっしゃるんですわ」

「そうかな」

「ええ、だって好きでたまらない方から『あなたのものにして』なんていわれたらねえ」

「襲っちゃう前にお帰りになったんですのよ、きっと。桜様のお気持ちを、台無しになさりたくないんですわ」

絶対そうだと言わんばかりにきっぱりうなずく二人だったが、桜はまだ不安だ。

「なら……いいんだけど……」

「だって、お考えになってみてくださいませ桜様、もし本当に幻滅されたなら、夕餉なんか一緒におとりにならないはずじゃありませんの」