デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~

ぶすっと口を結んで、けれど無理強いはしないといった手前、身を引かなければならない彼は、桜を厳しく睨みつけながら体を起こした。

乱暴に背もたれに身を預け、つーんと向こうを向く。

「……王様、……あのね」

「………」

(怒ってる……そりゃそうか)

けれど、桜も考えなしに中断したわけではなかった。

「そのう……王様と、こういうことするのが嫌だから止めたんじゃないんです」

死ぬほどどきどきしたけど。

でも……ほんとに同じくらい嬉しくて。
こんなに夢中になって、自分を欲しいと言ってくれたから。


……私も、王様とひとつになりたい。


そんな思いが、ふと頭に浮かんだのだ。

(自分がこういう事思うなんて戸惑うけど……でもやっぱり私って……)

「王様のこと、ほんとに好きなんです」

そっと言ったその言葉に、驚いて振り向いた。

「だ……だからその、こんなふうに、流されてしたくなくて」